さらに続く。
《スレイヤーズ》の第一部、『死霊都市の王』までは、あまり知られていない事ですが、まごう事なき和製異世界ファンタジーのマスターピースの一つです。
中世ヨーロッパのマニアの人とかは言いたい事も色々あるかも知れませんが、じゃあお前らS-nery時代を知らない桑島ファンを見下す俺の立場が容認できんのかよ。できねえだろ。
かようにさくっとマニアの人を無視すれば、《スレイヤーズ》は、少なくとも第一部は面白い。
饒舌体なのにプロットがもたつかないのがエラい。その先の批評的な展開がお望みなら別に普通に読み込んでいけばいいと思う。予め善神が喪われた世界、とか。圧倒的な魔族に知恵と勇気で立ち向かう、とか。世界の階層構造とか。確固たる正義なんてないし世界は大きくて僕らはちっぽけだけど知恵と勇気を持って誇り高く生きていこう、という人間讃歌だよ、基本的に。
で、第二部ではそのプロットワークの冴えが微妙に失せて、というのはつまりストーリーの駆動力となるべきキャラクター同士の関係性の構築に微妙に失敗していて、だからリナの軽口もキレがない。
長さって言うのは必然的に主題を呼び込むんだけれど、その呼び込まれるべき主題を結局は作家が見出せなかった感がある。
ここで《スレイヤーズ》のもっとも成功したフォロアーである《魔術師オーフェンはぐれ旅》を持ち出してニーチェとドストエフスキーを引っ張り出してくる事で第二部終盤を骨太な思想小説(?)に仕立て上げる事に成功して云々かんぬん、とやってもいいのだけれど信者の繰言になるのでやめておく。
続けたい。
なんとはなしにピン。